記憶は嘘をつく

今日、ニュースで 飯塚幸三 の裁判の内容が流れてきておりましたね。
被害者のご家族 パパさん 本当に辛いと思います。
たった1,2秒 どこかの行動がずれただけで運命は避けられたのに、本当にパパさんの辛さを考えると本当に心がえぐられる程に辛いモノです。

そんなパパさんの傷をさらにえぐるような行為をするのが 飯塚幸三 でホントに、保身の為にそして刑務所に収容されない為に、時間をじっくり伸ばして在宅起訴状態を繰り返すという、凄い人物です。

彼の言い分としては、ブレーキを踏んだのに、アクセルが戻らない、エンジンが高回転で回って制御できない…という言い分ですが、 全ての行動が記録されている最新プリウスのブラックボックスはそんな記録はなく、ひたらアクセルを踏み続けている記録だけが残っている訳で、構造的に考えても、勝手に高回転にエンジンが勝手に回り続けて、おまけに、ブレーキを踏んでもいきなり効かないなんて事は物理的にあり得ません。

逆に、どうやったらそうなるのかという理屈が知りたい位です。

さて、そんな彼の言い分が やたらと無罪を主張する言い分ですが、その発言は彼のある意味『記憶』の1つに頼っている訳です。

人間の記憶というのは、非常に不安定です。

事、教育をしている私としても、生徒さんにノートに書き! と何度も言うのですが、最終的には脳に入れるにしても、そこまで自分の肉片に期待するな!と注意喚起するんです。

脳の構造上、初期の記憶というのは非常に不安定なのです。
また、今回の事故等の場合、自分の都合の良いように記憶を書き換える事は普通にある事で、間違った事をまるで現実化のように記録してしまいます。

時間の経過というものは、人間の記憶によるもので、非常に不安定な存在です。
記憶とは『常に忘れる』様に作られており、また『上書き保存』されるようになっています。

一度植え付けられた記憶を飛ばさない程に焼き付けるというのは、余程トラウマになる位のインパクトのある出来事と同時に植え付けなければなりませんが、普段過ごしていてそこまでの事もありません。
そして、インパクトある記憶も時間の経過とともに、上書き保存され、都合の良いように変換されるのが普通です。

これは、アメリカでも良く実験されているモノで、特にメンタル的な問題を持つ人が催眠治療などをうけ、後退催眠などを行うと、記憶が混同してしまい、自分の父親が殺人犯とか、新聞の情報と混同して無罪の父親を刑務所送りにした事案まである位です。

また、子どもの発言だから嘘を言うはずがない!というバイアスも相まって、周りの大人が受けてしまうのも問題です。子どもであっても、無意識に嘘をつきます。
それが意識的なのか、無意識なのかは関係なく。

これは特別に催眠医療を受けた人だけではなく、一般的な人でもその過半数は『嘘の記憶』を自分で作ってしまい、それを真実としてとらえてしまうという事があります。

結果

記憶は、都合よく変容するし、上書きされる。
その記憶は、時間の経過と共に、疑いようもない真実になる

だから、証拠ではなく、記憶に頼る裁判というのは、結構 矛盾が多いのです。

私も嘘の記憶を相手に植え付ける事に近い事はできますが、非常にリスクが高いです。
相手の人生にも影響を与えてしまう訳ですから、身勝手に、誘導する事はできません。

こうした、外部から記憶をいじれる。
また内部から自分の都合よく変更できる記憶。 そうした脳の仕組みを解っていると、対象が誰であれ、その言葉の真意が何処にあるのかを探り、多角的に評価しながら見ると、真実に近い所までは追えると思いますよ。

そういう意味では、政治家の

記憶にございません… はある意味、 脳の仕組み上、仕方ないのかもしれません。
因みに、私は 行政は スーパーコンピューターで運用した方が、余程うまくいくと考えてます。

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